COLERE JOURNAL(コレレジャーナル)

弁護士藤森純が運営するブログです。文化と法律の関わり方について考えていきたいです。

【警察庁パブコメ】「特定遊興飲食店営業」の定義はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)特定遊興飲食店営業は、「深夜+遊興+飲酒」の全てを満たす営業。

(2)「遊興」とは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせること。

(3)「営利性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

(4)「継続性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

(5)飲食をさせる「設備」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

深夜+遊興+飲酒

今回の改正風営法で新設された「特定遊興飲食店営業」。

これについては、これまでも当ブログにおいて、どういったものを指すのかについて触れてきました。

今回、警察庁のパブコメの中で、特定遊興飲食店営業の定義の解釈案が示されましたので、改めて整理したいと思います。

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の照度の測定方法や面積の基準はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)営業所の照度は10ルクスを超えている必要がある。

(2)飲食用客席で客に遊興させる場合、飲食用客席で照度を計測するが、営業時間の半分未満なら10ルクスを下回ってもOK(低照度飲食店営業とは扱わない)。

(3)飲食用客席で客に遊興させない場合には、飲食用客席が客室全体の5分の1以上あれば、飲食用客席のみで照度を計測(遊興スペースは計測の対象外)。

(4)客室一室の面積は33㎡以上。客室が複数ある場合、一室ごとに33㎡以上あることが必要。

「照度」の測定方法

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の営業時間の制限や騒音・振動の基準はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)特定遊興飲食店営業は、原則24時間営業可。ただし、午前5時から午前10時までの時間については、営業をしてはならない時間を条例で定めることが可能。
(2)特定遊興飲食店営業の「騒音」、「振動」の規制に関する条例の基準は、現行風営法の3号営業と変わらない。

「営業時間」の制限について

前回からまた更新が空いてしまいましたが(汗)、今回も警察庁が示した政令等に関する考え方について解説していきたいと思います。

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の立地規制はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】 

(1)警察庁のパブコメで示された政令案は、特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域を、これまでの警察庁の見解よりも、だいぶ広げている。

(2)特定遊興飲食店営業についての保全対象施設に関して、「特にその周辺の深夜における良好な風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるものに限る」という限定がついている。

警察庁のパブコメ:2015年9月18日から同年10月17日まで

先日、改正された風営法について、来年6月の施行に向けて、関連する政令、内閣府令、国家公安委員会規則などを定めていく必要があります。これを受けて、警察庁は、政令などを定めるために、2015年9月18日から同年10月17日まで、パブリックコメント(略してパブコメ)を行うことになりました。パブコメは、政令などを定めるにあたって、広く国民の意見を問うもので、国民は誰でもパブコメを送ることができます*1。本ブログではパブコメの参考にしていただくために、パブコメで示された政令などの案について、随時ポイントを整理して行きたいと思います。

*1:パブコメは、こちらこちらから送付可能です

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【速報版】警察庁による改正風営法に関するパブリックコメント開始

【この記事のポイント】

(1)警察庁による改正風営法に関するパブリックコメントが開始。
(2)期間は、2015年9月18日から同年10月17日までの一ヶ月間。

パブリックコメント開始

警察庁は、改正風営法に基づいて、政令、内閣府令、国家公安委員会規則などを定めていくにあたって、パブリックコメントを開始しました。
これは、広く国民に対して、警察庁が提示する案に対しての意見を求めるものです。
詳しくは、下記の警察庁のホームページをご覧ください。

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」等に対する意見の募集について

特定遊興飲食店営業の定義の解釈案に対する意見の募集について

まずは、速報版として、ご報告です。

募集期間は2015年9月18日から10月17日まで。
内容については、追って、触れていければと考えております。

2015年8月5日の規制改革会議地域活性化ワーキング・グループ

【この記事のポイント】

(1)2015年8月5日に内閣府の規制改革会議の地域活性化ワーキング・グループが開催。
(2)ACPC、芸団協、音制連などの音楽関係者の団体から、特定遊興遊興飲食店の問題点について指摘。
(3)「特定遊興飲食店営業」について風営法の趣旨に反しないものについては除外するべき。

ワーキング・グループでの特定遊興飲食店営業の問題意識についての共有

まず、2015年8月5日に開催された内閣府の規制改革会議の地域活性化ワーキング・グループについてご説明したいと思います。

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【お知らせ】執筆、監修で参加した書籍が発売されました。

私が執筆、監修で参加させていただいた書籍が発売されましたので、ご紹介です。

『デジタル証拠の法律実務Q&A』 

日本加除式出版から『デジタル証拠の法律実務Q&A』が出版されました。

私も執筆陣の末席に加えていただいております。

類書がなかなか見当たらないマニアックな分野を扱った本ですが、今後重要になってくる内容を扱った役立つ一冊だと思います。

ご興味ある方は是非ご覧ください。

http://www.kajo.co.jp/book/40597000001.html

イラストレーターの仕事がわかる本』 

もう一冊は、グラフィック社から出版された『イラストレーターの仕事がわかる本』です。

こちらはイラストレーターという仕事を行うにあたって必要な知識をコンパクトにまとめた使いやすいものになっていると思います。

私は、法律関連の記事について監修で参加しております。ご利用いただければ幸いです。

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=32094

 

プロとして知りたいこと全部。 イラストレーターの仕事がわかる本

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  • 作者: グラフィック社編集部,竹永絵里
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2016年6月の改正風営法施行までの流れ

《注》本記事についてはアップデート版があります。こちらをご覧ください(2016年3月5日追記)。

【この記事のポイント】

(1)2015年6月17日に改正風営法が成立し、同月24日に公布された。

(2)改正風営法が実際に施行されるのは、2016年6月の予定。

(3)2016年6月までに、政令、国家公安委員会規則、各都道府県の条例、風営法の解釈運用基準などで具体的な規制の中身が定められていく。

(4)警察庁との面談、内閣府の規制改革会議、都議会などへのアプローチを始め、ロビー活動は現在も継続中。

改正風営法が2015年6月17日に成立、同月24日に公布

久々の更新となりました。

2015年5月28日のエントリー以降、6月17日には、改正風営法が成立し、同月24日には同法が公布されました。

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特定遊興飲食店営業の立地要件(地域規制)に関して

【この記事のポイント】

(1)平成27年5月27日の衆議院内閣委員会で風営法改正案が可決された。今後、衆議院本会議で通過し、参議院でも可決されれば、本年6月中にも、風営法改正が実現する見込み。

(2)衆議院内閣委員会において、秋元司議員、寺田学議員らから、風営法改正案の問題点などについて、警察サイドへの質疑が行われた。

(3)特定遊興飲食店営業の立地要件(地域規制)に関して、警察サイドは営業延長許容地域を参考にしようと考えている模様。

風営法改正案が衆議院内閣委員会で可決

久々のエントリーです。 風営法の改正に大きな動きがありました。

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特定遊興飲食店営業の検討課題は?

【この記事のポイント】

(1)特定遊興飲食店についての検討課題はたくさんある。

(2)検討課題について、警察サイドを始め、多くの関係者と対話をしていくことが大切。

(3)警察サイドも、事業者やユーザーの意見を聞きたがっている。

特定遊興飲食店営業って何?

前回のエントリーでは、今回のエントリーで特定遊興飲食店営業の営業可能地域について触れていくと予告しましたが、その前に、新風営法で新設される特定遊興飲食店がどういったものなのか、そして、どんな課題があるのかをざっと整理しておくことにしましょう。

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クラブの営業地域の制限って何?(1)

【この記事のポイント】

(1)クラブの立地規制を定めているのは、風営法だけではない。

(2)日本では都市計画法建築基準法などの各種法令によって、どのような地域に、どのような建物を建てられるかが定められている。

(3)建築基準法によれば、3号営業に該当するクラブは、商業地域と準工業地域でのみ営業が可能。カラオケボックスや劇場・映画館よりも営業できる地域が制限されている。

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新風営法ではクラブの客室1室の床面積の要件はどうなるの?

【この記事のポイント】

(1)現行風営法のもとでは、3号営業を営むには、客室1室の床面積が66㎡以上あることが必要。

(2)面積要件は、客室1室ごとにクリアする必要がある。

(3)国家公安委員会、警察庁サイドからは、新風営法のもとでは、特定遊興飲食店営業の客室1室の床面積の要件を33㎡以上にするのはどうかという提案が出ているが、どうなるのかはまだわからない。

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風営法の改正案でクラブ営業の位置づけはどうなるの?

【この記事のポイント】

(1)風営法の改正により、ナイトクラブ営業(3号営業)やダンスホールの営業(4号営業)は「風俗営業」ではなくなる。

(2)客に飲食をさせる営業で、客席の照度が10ルクス以下のものは、現行法と同様、低照度飲食店営業(5号営業)として「風俗営業」にあたる。

(3)客に飲食(酒類提供あり)、遊興(ダンスを含む)させる営業が「特定遊興飲食店営業」としてカテゴリーされ、深夜での営業も可能になる。

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