COLERE JOURNAL(コレレジャーナル)

弁護士藤森純が運営するブログです。文化と法律の関わり方について考えていきたいです。

「Tokyo Experimental Performance Archive」

【この記事のポイント】

(1)パフォーマンスをインターネット上にアーカイブする「Tokyo Experimental Performance Archive」という取り組み。

(2)次回2015年12月26日(土)は、サンガツと梅田哲也さんが登場。

「Tokyo Experimental Performance Archive」

プロデューサー、元プリコグ代表の小沢康夫さんが主宰する「一般社団法人日本パフォーマンス/アート研究所」が取り組んでいる「Tokyo Experimental Performance Archive」は、東京で日々繰り広げられている様々な実験的なパフォーマンスの瞬間を映像にとらえて、インターネット上でアーカイブしていくというプロジェクトです。

このプロジェクトは、2014年7月18日に開催された第1回を皮切りに六本木スーパーデラックスで定期的にイベントを開催しており、そのイベントの内容が「Tokyo Experimental Performance Archive」のサイトでアーカイブされて行っています。

例えば、第1回の大友良英さんのターンテーブルのパフォーマンス。以下のような高画質の映像がアーカイブされています。大友さんの手元を凝視しながら、パフォーマンスに浸れるというのは嬉しいですよね。ギタリストとしての大友さんももちろん大好きですが、ターンテーブリストとしての大友さんも大好きです、私。


otomo yoshihide Tokyo Experimental Performance Archive

 

このアーカイブは現在の東京で起こっていることの瞬間を切り取ったものに過ぎませんし、「現場」で体感するものとは違ったものだと思います。

しかしながら、インターネット上に存在するこのアーカイブは、パフォーマンスの「現場」に居ることができなかった人(それは、東京に住んでいない人かもしれませんし、何十年か先の未来に生きる人かもしれません)が、現在の東京で起こっていること/起こっていたことを、追体験することができる貴重な「場」であるといえるのではないでしょうか。

私は、古いアナログ・レコードが好きなのですが、アナログ・レコードというメディアが、自分の生まれていなかった時代の「音」を記録してくれていたおかげで、その「音」が生まれた当時の空気や風景を感じながら、「音」を体験することができています。このような体験ができるのは、「音」を記録として未来の私たちへと残してくれた数々の人々の存在があったからです。

そんなことを考えると、現在の東京で生まれている文化を享受している人たちが、現在の東京の一部を切り取り、何らかの形で未来に残して行くことは、現在に生きる人の役目のひとつなのではないかと思います。特に、「Tokyo Experimental Performance Archive」が扱うような無形のパフォーマンスは、記録として残されることが少ないこともあり、これらが少しでもアーカイブされるということは、たいへん貴重なことなのではないでしょうか。

私も、ほんの一部ではありますが「Tokyo Experimental Performance Archive」のお手伝いをさせていただきました。自分がこういう取り組みに少しでも関われることは非常に光栄です。今後も、法律家として、文化のアーカイブの取り組みに参加できるといいなと思っています。

次回は、2015年12月26日(土)に開催

「Tokyo Experimental Performance Archive」の次回イベントは、2015年12月26日(土)です。場所は、六本木スーパーデラックス。登場するのは、サンガツと梅田哲也さん。詳しくはこちらからどうぞ。

「現場」に足を運べる方は、是非遊びに行ってみてください。ちなみに、私は同日に自分のバンドのライブがあるので行けません・・・汗。あとで、アーカイブ映像を楽しみたいと思います。あー、アーカイブ映像が残るってありがたいですね!

【警察庁】特定遊興飲食店営業のセルフチェック|風営法改正

警察庁のサイトで「特定遊興飲食店営業のセルフチェック」が公開

11月13日に公表された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」の解釈に基づいて、「特定遊興飲食店営業に該当するか否か」を判断することができる「特定遊興飲食店営業のセルフチェック」と題するページがこちらで公開されています。

上記の解釈運用基準に関しての検討は本ブログでも行う予定ですが、もう少し時間が掛かりそうなので(汗)、取り急ぎセルフチェックのページをご紹介しておきます。特定遊興飲食店営業を行おうと考えている方やご自分の営業が特定遊興飲食店営業にあたるかどうか疑問に思っている方は、一度利用してみてはいかがでしょうか。

【追記】

セルフチェックをやってみましたが、少し複雑な部分があるので、わかりにくいところがあるかもしれません。もし気になる点がございましたら、お気軽に、以下のメールアドレスまでご連絡ください。

colerejournalアットgmail.com(アットの部分を@に変換してください)

【お知らせ】『現代美術キュレーター・ハンドブック』難波祐子

難波祐子さん著の『現代美術キュレーター・ハンドブック』(青弓社)に掲載されている契約書の雛型の作成およびコメントを担当いたしました。キュレーターには、どのような役割があり、どのように展覧会を作り上げていくのかなどについて、詳しくかつわかりやすく書かれた素晴らしい本です。類書もあまりなく、現場で役に立つ一冊だと思います。

契約書の雛型も複数の弁護士のコメントが入った参考になるものになっていると思いますので、是非、ご活用いただければ幸いです。

 

現代美術キュレーター・ハンドブック

現代美術キュレーター・ハンドブック

 

 

11/13 改正風営法に関する下位法令等が公布されました。

【この記事のポイント】

(1)2015年11月13日に改正風営法の下位法令となる政令、内閣府令、国家公安委員会規則、告示が公布された。施行は2016年6月23日(一部については同年3月23日)。

(2)これに伴い、風営法の解釈運用基準も改正され、都道府県警察に示達された。

(3)先日行われた警察庁のパブリックコメントに関する募集結果が公表された。

政令等の下位法令の公布

警察庁は、2015年11月13日に、改正風営法の下位法令を公布しました。今回公布された下位法令の名称は下記のとおりです。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整備に関する規則
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う国家公安委員会関係告示の整備に関する告示

また、これにともなって、風営法に関する解釈運用基準(正式名称は下記のとおり)も改正され、各地の都道府県警察に示達*1されました。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(生活安全局長通達)

今回公布された下位法令等に関する資料は、こちらに掲載されています。

警察庁のパブリックコメントの募集結果も公表

今回の下位法令等の公布とともに、先日行われた警察庁のパブリックコメントに関しての募集結果についても公表されました。

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」等に対する意見の募集結果について

 

「特定遊興飲食店営業の定義の解釈案」に対する意見の募集結果について

今回公布された下位法令等の内容については、これまで本ブログでも触れてきた内容と大きな変更はありませんが、そこに見え隠れする警察庁の考え方がパブリックコメントの公表資料に現れているように思いますので、次回以降のエントリーでは、これについて検討して行きたいと思います。

*1:上級官庁から下級官庁などに対し、注意や指示を知らせること

11/5 ダンス文化推進議員連盟開催

【この記事のポイント】

(1)2015年11月5日(木)にダンス文化推進議員連盟の総会が開催され、警察庁が作成した政令案等の下位法令等について報告が行われた。

(2)今後は各地の都道府県条例などの整備に話が移るが、これらがどうなるかが重要。

11/5 ダンス文化推進議員連盟開催

2015年11月5日にダンス文化推進議員連盟が開催されたので、出席してきました。

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【警視庁】特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域の具体案が提示されました。|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)警視庁が改正風営法の施行条例の案について意見募集を開始。

(2)東京都における特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域の案が提示された。

(3)営業所設置許容地域が原則として商業地域に限定されており、特定遊興飲食店の立地規制が厳しくなってしまっている。

 

警視庁による意見募集開始

警視庁は、風営法改正を受けて、東京都における風営法の施行条例の案を提示し、これに対する意見募集を開始しました。

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【警察庁パブコメ】「特定遊興飲食店営業」の定義はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)特定遊興飲食店営業は、「深夜+遊興+飲酒」の全てを満たす営業。

(2)「遊興」とは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせること。

(3)「営利性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

(4)「継続性」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

(5)飲食をさせる「設備」がないものは特定遊興飲食店営業にあたらない。

深夜+遊興+飲酒

今回の改正風営法で新設された「特定遊興飲食店営業」。

これについては、これまでも当ブログにおいて、どういったものを指すのかについて触れてきました。

今回、警察庁のパブコメの中で、特定遊興飲食店営業の定義の解釈案が示されましたので、改めて整理したいと思います。

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の照度の測定方法や面積の基準はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)営業所の照度は10ルクスを超えている必要がある。

(2)飲食用客席で客に遊興させる場合、飲食用客席で照度を計測するが、営業時間の半分未満なら10ルクスを下回ってもOK(低照度飲食店営業とは扱わない)。

(3)飲食用客席で客に遊興させない場合には、飲食用客席が客室全体の5分の1以上あれば、飲食用客席のみで照度を計測(遊興スペースは計測の対象外)。

(4)客室一室の面積は33㎡以上。客室が複数ある場合、一室ごとに33㎡以上あることが必要。

「照度」の測定方法

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の営業時間の制限や騒音・振動の基準はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】

(1)特定遊興飲食店営業は、原則24時間営業可。ただし、午前5時から午前10時までの時間については、営業をしてはならない時間を条例で定めることが可能。
(2)特定遊興飲食店営業の「騒音」、「振動」の規制に関する条例の基準は、現行風営法の3号営業と変わらない。

「営業時間」の制限について

前回からまた更新が空いてしまいましたが(汗)、今回も警察庁が示した政令等に関する考え方について解説していきたいと思います。

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【警察庁パブコメ】特定遊興飲食店営業の立地規制はどうなるの?|改正風営法

【この記事のポイント】 

(1)警察庁のパブコメで示された政令案は、特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域を、これまでの警察庁の見解よりも、だいぶ広げている。

(2)特定遊興飲食店営業についての保全対象施設に関して、「特にその周辺の深夜における良好な風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるものに限る」という限定がついている。

警察庁のパブコメ:2015年9月18日から同年10月17日まで

先日、改正された風営法について、来年6月の施行に向けて、関連する政令、内閣府令、国家公安委員会規則などを定めていく必要があります。これを受けて、警察庁は、政令などを定めるために、2015年9月18日から同年10月17日まで、パブリックコメント(略してパブコメ)を行うことになりました。パブコメは、政令などを定めるにあたって、広く国民の意見を問うもので、国民は誰でもパブコメを送ることができます*1。本ブログではパブコメの参考にしていただくために、パブコメで示された政令などの案について、随時ポイントを整理して行きたいと思います。

*1:パブコメは、こちらこちらから送付可能です

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【速報版】警察庁による改正風営法に関するパブリックコメント開始

【この記事のポイント】

(1)警察庁による改正風営法に関するパブリックコメントが開始。
(2)期間は、2015年9月18日から同年10月17日までの一ヶ月間。

パブリックコメント開始

警察庁は、改正風営法に基づいて、政令、内閣府令、国家公安委員会規則などを定めていくにあたって、パブリックコメントを開始しました。
これは、広く国民に対して、警察庁が提示する案に対しての意見を求めるものです。
詳しくは、下記の警察庁のホームページをご覧ください。

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」等に対する意見の募集について

特定遊興飲食店営業の定義の解釈案に対する意見の募集について

まずは、速報版として、ご報告です。

募集期間は2015年9月18日から10月17日まで。
内容については、追って、触れていければと考えております。

2015年8月5日の規制改革会議地域活性化ワーキング・グループ

【この記事のポイント】

(1)2015年8月5日に内閣府の規制改革会議の地域活性化ワーキング・グループが開催。
(2)ACPC、芸団協、音制連などの音楽関係者の団体から、特定遊興遊興飲食店の問題点について指摘。
(3)「特定遊興飲食店営業」について風営法の趣旨に反しないものについては除外するべき。

ワーキング・グループでの特定遊興飲食店営業の問題意識についての共有

まず、2015年8月5日に開催された内閣府の規制改革会議の地域活性化ワーキング・グループについてご説明したいと思います。

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【お知らせ】執筆、監修で参加した書籍が発売されました。

私が執筆、監修で参加させていただいた書籍が発売されましたので、ご紹介です。

『デジタル証拠の法律実務Q&A』 

日本加除式出版から『デジタル証拠の法律実務Q&A』が出版されました。

私も執筆陣の末席に加えていただいております。

類書がなかなか見当たらないマニアックな分野を扱った本ですが、今後重要になってくる内容を扱った役立つ一冊だと思います。

ご興味ある方は是非ご覧ください。

http://www.kajo.co.jp/book/40597000001.html

イラストレーターの仕事がわかる本』 

もう一冊は、グラフィック社から出版された『イラストレーターの仕事がわかる本』です。

こちらはイラストレーターという仕事を行うにあたって必要な知識をコンパクトにまとめた使いやすいものになっていると思います。

私は、法律関連の記事について監修で参加しております。ご利用いただければ幸いです。

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=32094

 

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