ここ最近のエントリーでは、表現・文化に関しての事件を年表にまとめていっています。これは、改正風営法の規制のあり方について思考を巡らせたり、自分が普段の業務の中で接している芸術、文化に関する様々な問題、著作権のあり方に関する問題などを解決したりするにあたって、これまでの歴史の中で積み上げられてきた表現・文化に関する様々な事件の流れを改めて知ることの必要性を痛感しているためです。マイペースな更新にはなってしまうと思いますが、続けていこうと思っていますので、お付き合いください。
単に年表だけを書いていくだけでは淋しいですので、年表の中でも面白い事項については、別途エントリーを残していこうと思っています。散文的かつ五月雨式のエントリー更新になってしまうかもしれませんが、こちらについてもお付き合いいただけると嬉しいです。
今回は、1956年(昭和31年)のお話です。
映画『太陽の季節』(古川卓巳監督)の公開
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1956(昭和31)年5月17日、日活映画『太陽の季節』(古川卓巳監督)が公開されました。原作は、石原慎太郎の同名小説です*1。 同小説については、第1回文學界新人賞と第34回芥川賞を受賞していますが、内容が当時の社会倫理に反しているとして、選考にあたって賛否両論があり、物議をかもしました。
『太陽の季節』の映画化にあたっては、映倫が同映画の脚本を審査しました。映倫は、2点ほど演出上の注意を行いましたが、それ以外については、特に問題がないと判断しました。
そして、映画『太陽の季節』は、同小説が芥川賞を受賞してから半年も経たない5月17日に公開され、大ヒットを記録します。
ところが、その映画の反倫理的な内容について、教育団体やPTAの反発を招き、各地に上映反対運動が巻き起こっていきます。
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